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自殺した人をわざわざ探しに行き、じっさいみつけた話①

Categoryむかしの話
逆算してみると、もう17年も前の話です。

今は亡き夫とは、当時一緒に暮らして半年くらい経っていました。

結婚しようということが決まったので、それを機に私は道楽で3年ほど経営したバーを閉店し、
20代からずっと続けてきたコピーライトの仕事だけに絞り、
あとはまぁなんとなくこまごました結婚準備をしたりなど、けっこうのんびり過ごしていました。



10月の半ばだったと記憶しています。
婚約者は友達と海外旅行中でした。
たしかセブ島だったかな。
いや、パラオだったか。。

なんせ旅行好きな人だったので、知り合ってからもあちこちかなり行っていたので、その時の旅行先がどこだったかハッキリ覚えていません。

彼もバーを経営していたのですが、まぁなんというか、彼本人が店にいることは珍しく、
それこそ海外旅行へ行っているか、ヨット仲間と島の民宿へしけこんでいるか、何人もを引き連れてあちこちで飲み歩いているか、

まぁそんな適当な毎日の人だったのです。



けど不思議なカリスマ性があったおかげで、彼の店は、彼不在でもその日そこにいる客の誰かがきりもりしてきちんと閉店されるのです。

「誰か」がグラスを洗い、ゴミをまとめて捨て、売り上げはナッツの缶に入れて戸棚にしまい、入り口の施錠をして帰る…という、

そういう状況が、まぁ普通にありました。



その10月の旅行前たまたま家出少年を拾ってしまい、その少年を彼は店に寝泊まりさせていました。

彼は、それを知れば間違いなく怒りだすだろう私にはそのことを隠していました。



旅行に行く朝、彼は私に仕方なく少年の件を白状し、
「毎晩夜1時に店へ行き、少年に店を閉めさせて売り上げから3千円をやってくれ」というようなことを頼んできました。

なんと呆れたことに、未成年にバーの店番をさせ、その上その管理を私にしろと。

まぁ少年がカクテルなんか作れはしないので、他の誰かのフォローつきなのはわかっていましたけど。

それにしても、
未成年とはいえ少年がもし18歳にはなっていたとしても、親の許可なしで未成年に夜間の仕事をさせてはならないという法律がありますしね。

当然、彼のあまりの適当なやり方に私はいつものようにキーキー言って怒りましたが、彼はとりあわずさっさと旅行に行ってしまい、
行くところのない家出少年を店から追い出すことは、いくら私が鬼でもそこまでできるはずもなく…

もう仕方ないので言われたように毎晩店へ行って少年とやりとりしました。

ただ、少年を働かせることは絶対にしてはならないと思い、自分の客だったフリーターの男の子数人に毎晩店番に入ってもらうよう頼んでおきました。

2週間。
彼が旅行から戻るまでの2週間、なんとか少年のことで警察沙汰などにならないよう乗りきらねば…と。

まぁそんなことまで考えながら、毎晩戦々恐々の思いでいました。






そんな不安な1週間ほどが過ぎたある晩、
友人から遊びに来ない?と電話がきて、彼はいないし夜1時までは暇なわけなので、ホイホイと友人宅まで車を運転して出かけました。

少年のことでストレスも溜まっていたし。



今日書くのは、その晩の、すごく複雑で不思議な奇妙な出来事の顛末です。






友人の家までは車で30分ほど。
よく、川を隔てると唐突に風景が田舎になる場合がありますが、まぁそんな感じです。

わりと牧歌的な風景の広がる地域に友人の家はありました。



友人の家に着いたのは20時前後だったでしょうか。

友人は出戻りで両親と同居だったのですが、早寝をする両親がびっくりしないよう、大きな音を立てないよう気を遣いながら、友人と私は玄関からすぐのキッチンにそーっと入り込みました。


途中、酒屋をみつけてビールを6缶買っていたので、とりあえずふたりともそれを飲み始めました。


車でいくしかないような場所なのでいつも車で行くのですが、必ずお酒を飲んでしまうので帰りはタクシー、
で、翌日友人が私の車を運転してきて、今度は友人を私が家まで車で送る、

のようなパターンが出来上がっていました。

友人は私がやっていた店で、生ビール10杯を短時間でサイダーみたいに飲み干してふらつきもせずに帰る、というレベルの酒豪なのだけど、
腰を据えてじっくり飲みたい気分のときに、こうして私を呼びつけたりするわけで。


私は家出少年のことを友人に話して、深夜1時には店に行かなくてはならないとボヤキつつ、
まぁふたりだけの女子会を楽しんでいたわけなんですけどね。






なんの拍子か、友人が唐突に奇妙な話をしてきたのです。





友人はその頃、どこだったかのバイトを辞めて某大手スーパーのテナントに入っている和風雑貨店の店長になったばかりでした。

その「どこだったかのバイト」をしていた時の話だというのですが、

「ねぇまるにゃん、こんな話があるんだけど…」

と彼女が話しだしたのが以下の話。






彼女はつなぎのバイトである配送会社の裏方を1ヶ月だけしていて、その時に小耳に挟んでしまった話がものすごく気になる、

というのです。

気になる話というのはこうです。


同様の仕事をしている仲間はほかに3人いたので、休憩時間は合計4人でなんとなく会話があったりなかったり…という環境で、

けどまぁ彼女は他の3人と年齢が合わないのもあってあまり会話には積極的に参加しなかったそう。

他の3人は気も合うのか、よく色々と賑やかに話していたのだけれども。



ある日、その3人の会話をぼーっと聞くともなく聞いていると、
ん? なんか自分の知ってる場所のことを言ってる?

…と思ったんだそうです。

で、そのままその会話の続きを興味を持って聞いたんだと。





「場所がねぇ、」とビールをクイッと飲み干して彼女。

「どう考えてもウチのすぐ近くのこととしか思えないわけ」


「ふーん。で、その場所がどうだっていう話なの?」と私。



「うん。それがさぁ、その3人の1人が話してたことがね、すっごい変な話なのよね、…でももしそれが事実なら…」

「…事実なら?」

「…行かなきゃ、って思うの」

「行かなきゃ? どこに?」


私も友人も、この話の頃にはビールを3缶ずつ飲んで、日本酒を飲み始めていて、彼女はともかく私はちょっとほろ酔い気分になっていました。




「で、どこに行かなきゃなの?」

私が重ねて尋ねると、いつもどちらかといえば口数が少なく冷静沈着な彼女にしては珍しいような分量をいっきにしゃべりだしたのです。


「あのね、その子が話してたのはね、その子のお祖父さんお祖母さんの話なわけ。そのお祖父さんとお祖母さんが墓場でやらかしたことがね、なんかちょっと信じがたいようなことなわけ」

「墓場? 墓場でご老人夫婦が何をやらかしたって?」

「あくまでその子が言ってた話だよ、その子のじいさんばあさんが自分の孫に話した内容で、それを孫が職場で同僚に話してたわけなの」

「ん? 孫が? 職場でみんなに喋ってた? …って何を?」



まるにゃん、酔いが回ってきてたのでだんだんこんがらがってきて、意味が掴めませんでした。


どうやら友人もある程度酔い始めていたようで、

「ごめん、わかりにくいよね、ちょっとまとめるわ」



まとめると、こういう話でした。


友人の職場の同僚のひとりが、休憩時間に話していたのは、自分の祖父母が墓参りに行った時の話で、
その話を同僚の子は祖父母から直接聞いたと。

その祖父母の話というのが奇々怪々だったので、孫として「どうしたもんだろう?」のような話題だったそう。

奇々怪々な祖父母の話というのがこう。

「いつもの墓参りに行き、いつものようにお供えのシキミを調達しようと奥まった所まで入っていくと、木からぶら下がっている人がいた」

「それを見なかったことにし、シキミを調達し、いつも通り墓参りをしてふたりで帰ってきた」

「帰りに気づいたのだが、近くに見慣れない長野ナンバーの車が停まっていたので、車はその人の車かもしれないと思った」

以上のことを、友人の同僚は祖父母から聞いたのだという。

「こんなこと言うんだけど、どこからどこまで本当なのか、冗談なのか、それともボケてるのか、さっぱりわからない」

というような話題を職場でしていたというのです。



要するに、友人の同僚の祖父母が墓場で首吊り死体を見たが放置して帰宅した、っていう…

そういう話なわけですよ。




本当の話なら…

じつに奇妙な話ですよね。

首吊り死体を見て見ぬ振りって…( ꒪Д꒪)





「で、どう思う?」と友人。

こころなし目がすわっていた。


「どう、って…」

「その墓場がね、ウチのすぐ近所のことみたいなんだよね」

「えっ!」


そうか、そういうことか!
やっと話の全貌が理解できたショックで私は思わずキッチンの椅子から立ち上がってしまってました。

慌てて座り直しながら私がつい聞いてしまったことが、
もしかしてその後の悪夢のキッカケになったのかもしれません。



「そこってさぁ、歩いて行けるほど近いの?」




「うん、近い」と友人。

「近いんだぁ…」と私。

「で、まるにゃんはどう思う?」

「どう思うって?」

「だから…もしいらっしゃるんだったら…みつけて家族に知らせてあげなきゃって思わない?」

「い、い、いらっしゃる…かなぁ( ꒪Д꒪)」

「わからない」

「じいさんばあさんボケてるのかもしれないしね」

「そうね、なんか変な話だもん」





「けど、それっていつ頃の話?」

「話を聞いたのは1週間前、じいさんばあさんが墓参りしたのがその何日か前。正確なとこはわからない」

「うーん。少なくとも10日は前のことなんだ…」

「そうなるねぇ」






「だけどさ、普通さ、1度は見なかったことにして帰っても、後でやっぱりちゃんと通報してるんじゃない?」

「だよね、普通」

「あとさ、そのお孫さんが確認した可能性もあるし」

「だね」

「たぶんもう解決してるよ」

「だよねー」




私たちは正直ふたりとも酔っ払いでした。
お酒のせいで思考がゆらゆらしていたというか、なんというか、

じっさいそんなに本気で「いらっしゃる」とは思っていなかったのです。


ただ、なにもかも不確かな話がゆえに、

「真偽を確かめたらスッキリする」

ということで意見が一致したので、酔いに操られたのもあり、
その夜…おそらくは23時前後だったと思うのだけれど、それぞれが懐中電灯を持ち、暗がりのなか墓場を目指したのです。




次回に続く



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